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	<title>そして夢の幕引きを</title>
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	<description>君に捧げる嘘吐き物語。</description>
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		<title>キスの前にお願い一つ</title>

		<description>キスの前にお願い一つ




携帯電話…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;"><font color="#c0c0c0" size="3">キスの前にお願い一つ</font>




携帯電話に向かって向ける明るくも甘くもある声質が嫌で嫌で仕方がない。そんな事言う資格がないことは分かっているけれど、胸の奥から湧き上がってくるようなもやもやは晴れない。



「うん、えーやだ。うん。じゃあ早く帰ってきてよ。俺ヒョンに会いたい。うん…」



聞こえていることに気づいているのだろうか。多分気づいているのだろう。だって、俺のことだって知っているんだから。



「ん、約束ね、ばいばーい…」



ピ、という無感情な音が静かな部屋いっぱいに響く。
ちらりと通話を終えたばかりのキュヒョンに目をやると、なんだか酷く疲れているみたいな瞳をしていた。

こういう時、前の俺ならなんて声を掛けていたんだっけ。俺たちの関係が、俺が壊れるもっと前なら。



「ヒョクチェヒョン、」

「…何」

「今日は帰ってもらえる？俺用事できたから。」

「ふーん…」

「ヤりたいなら俺以外に頼んで。また連絡する。」

「うん…」



まるで要点だけを絞りましたみたいなキュヒョンとの会話には、前まであった全てがなくなってしまった。
失ったのは温もりだけじゃなくて。そもそも前までそんなものがあったかどうかは分からないけど、俺にはあった、確かに。


キュヒョンが帰る準備をしている手前、俺はさっきのキュヒョンみたいに電話帳から愛しいあの人の名前を探す。
そしてキュヒョンと同じように―その場を動かず、迷わないでコールを押した。



『…もしもし？』

「あ、もしもしドンへ？ヒョクチェだけど」

『ヒョクチェ！久しぶり！どうしたの？ヒョクチェから電話なんて珍しい』

「んとさ、今日ちょっと時間ある？会えないかな」

『今日？あいてるよ、めっちゃあいてる！ヒョクチェからのお誘いならいつだってあけるけど！』

「はいはい。じゃあ今からドンへんち行くから。」

『ん、待ってる。バイバイ！』



相変わらず電話でもテンションの高いドンへは、いつだって俺を好きだという。可愛いも、愛してるも。
ドンへと付き合うようになってから気づいたことがある。俺にはそう言う言葉が必要なんじゃないかって。『言葉がなくても伝わる』なんて俺にとっては綺麗ごとで、俺はしょせん言葉がないと不安になる面倒くさい奴なんだろう。

だから、キュヒョンも愛想をつかせたのかもしれない。
今までは優しかったキュヒョンが突然音信不通になったのがいつだったか、今ではもう思い出せなくなった。
ただある日ひょっこり連絡がとれるようになって、でもその時キュヒョンには恋人がいた。
新米教師だという。キュヒョンはヒョクチェヒョンと呼んでいた。皮肉なまでに、俺と同じ名前で。
俺だってキュヒョンに執着しているわけではない。むしろこんな関係早く終わらせたくて、偶然バイト先で知り合ったドンへと付き合い始めた。
なのにキュヒョンは俺から離れてくれなくて、セフレみたいな関係がずるずると続いている。

まだ、ただのセフレだったら良かったのに。キュヒョンはたまに突拍子もなく愛してるやら好きやらを呟く。
どうせなら嫌いになって捨ててほしい。そうすれば俺だって、心からドンへを愛せるのに。



「じゃ、俺帰るけど、ヒョクチェヒョンも出るでしょ？」

「あ、うん。でも俺が鍵閉めとくよ」

「そ。じゃあまた会えるとき連絡する。またね」



ひらりと手を振ったキュヒョンの後姿を俺は見つめる。
次に会うのはいつなんだろう。一週間後か、一か月後か、一年後か、もしかしたらもう会わないかもしれないし。
期待は毎回していない。するだけ無駄だ。


俺は厚めのコートを羽織る。今夜は冷えると天気予報で言っていた。
こんな日は誰かの温もりが欲しい。キュヒョンが帰ってくれて良かったと思ったのは、実はこれが初めてだったりする。



　＊＊＊＊＊＊＊




「ヒョクチェ！」



ドンへのマンションの近くの公園のベンチで体を縮こませていると、メールで迎えに行くと言ってから一分もたたないうちにドンへが俺の名前を呼んだ。
相変わらず俺のことになると動きが早い奴だと思う。俺は思わず吹き出した。


「来るの早くない？まだ一分も経ってないけど」

「だって、ヒョクチェが帰ったら嫌じゃん！せっかく会えたのに！」



むう、と膨れっ面で訴えるドンへに、俺の心臓はドクドクと動きを速める。
鈍感でアホなくせに、ドンへはいつも確信をついてくる。キュヒョンとの関係は言っていないはずなのに、いつも知っているような言葉を吐く。

俺はいてもたっても居られなくなって、無言のままドンへのマンションへ向かう。
するとクン、と後ろから腕を掴まれて、そのまま引き寄せられた。


「っん！！」



噛みつくようなキス。ほんの少し痛みを帯びている。俺なんかには、このくらいのキスが丁度いい。



「ッは、…」

「ねえ、俺もう無理」

「は？な、に…ちょッ！」



唇を離したドンへは、すり寄る様に体を寄せる。しっかりと主張をしたドンへのものが当たっていて微妙な気持ちになるけど、そう言うことをしに来たわけではない、訳ではないから。



「んー…ヒョク、冬の匂いがする」

「ひゃッ、な、やめ、」

「また痩せた？鎖骨もっと目立ってきてる」

「んっ…」



つーっと舌で首筋から鎖骨にかけて舐められると、ゾクゾクと鳥肌が背中に走る。
鼻孔を掠めるドンへの髪の匂いで体がムズムズする。ほら、やっぱり俺だってそういう気はあるんだ。でも…。

どうしてだろう。脳裏を過るキュヒョンの声が、顔が、ドンへといるときでも消えてくれない。



「わ、お腹も痩せたね」

「や、な、ひぁッ…」

「そっちの方がいい。乳首触りやすくて。」

「んッ…あ、ッ…」

「ね…何、考えてる？」



その一言に、じわじわと昇ってきていた熱が一気に固まる。
恐くなった。怖くて怖くて仕方がなくなって、俺はドンへの胸板を両手で押し出した。



「…ヒョク？」

「あ、や、…部屋、部屋に、入ってから…」

「ああ、そうだよね、ごめん。寒かったよね？」



ふとドンへを見ると、いつもみたいに優しい瞳で笑っていた。
でも、それが逆に恐くなる時がある。今みたいに、ドンへは確信をついてくるから。キュヒョンみたいに曖昧にはしてくれないから。

きっとドンへも気づいている。キュヒョンも気づいている。俺たちは嘘吐きなんだ。




「あ、ヒョク唇青くなっちゃってる」



ごめんね、寒かったよね、と眉を下げて笑いながら、ドンへが顔を近づける。
ふわりと漂う香りはドンへそのもの。俺はどうなんだろう。どんな香りがするのかな、ドンへは分かっているのかな。



唇が触れるまであと一秒。願うは、君と僕とあの人の幸せ。

















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		<dc:date>2012-09-30T23:20:01+09:00</dc:date>
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		<title>指先からすり抜けるように</title>

		<description>指先からすり抜けるように




いつ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;"><font color="#c0c0c0" size="3">指先からすり抜けるように</font>




いつもみたいに笑顔を振りまきながら職員室に入ると、愛おしい背中が丸まっているのが見えた。
何かあったのかな？とも思うけど、そんな時とは雰囲気が違うから、俺はとりあえずホッと胸をなでおろしてその背中に近づく。



「ヒョクチェせんせ、おはよ」

「ぅわッ！！」



ポン、と軽く背中を叩いただけなのに叫ばれて、俺も同じようにわっ、と小さく声をあげる。



「な、何！？」

「いや、そっちこそ何！？そんなに痛かった！？」

「あ、なんだ、ドンへ先生か…」

「『なんだ』って酷いなぁ」

「あ、や！別にそう言うわけじゃ…」



からかうように眉を下げると、ヒョクチェ先生は困ったように俺を見つめる。
ああもう可愛い。この人は俺にとって本当に可愛くてしょうがない。


去年うちの学校に転勤してきたヒョクチェ先生は、若くてノリがよくて運動神経がよくてすぐに人気者になった。
そう言う俺だって若いし、自分で言うのもなんだけど顔がいいから人気はある方だと思うけど。

初めのうちは新米教師！って感じの先生だなぁなんてくらいにしか思ってなかったのに、隣のデスクになって距離が近づくにつれ、少しずつヒョクチェ先生が俺の世界の中心になりだした。
好き、大好き。いつか言えたらななんて考えてたりもするけど、今はこのままでいいとも思っていたりする。




「で、どうかしたの？蹲ってたみたいだけど。」

「いや…別に…」

「また生徒のこと？そういう時は俺を頼ってって言ったでしょ？」

「や、でも、」

「ほら早く」



もどかしい言葉の先を催促すると、ヒョクチェ先生はふっと眼を逸らす。
何だかそれが気にくわなかったけれど、言葉の続きを優先するべきだよね、ここは。



「あ、あの、ドンへ先生。俺の言うこと信じてくれますか？」

「うん！もちろん！」

「じゃあ、あの、あんまり大きな声で言えないんですけど…」

「じゃあ耳元で言って！」

「はぁ…あの、ですね。今日たまたま廊下で見ちゃったんですけど…」




―1年3組のイドンへとイヒョクチェがキス、してたんですよ。




ヒョクチェ先生はそれだけポツリと言うと、顔を真っ赤にしてもう！なんて言いながらまたデスクに蹲る。

え、え？何それすっごい可愛いんだけど…今、なんて？



「……今なんて？」

「…ッもう！二回も言わせないでください！！キスしてたんですよ、キス！」

「……………ぇえええ！！？？」



恥ずかしいとか言っておきながら大声を張り上げたヒョクチェ先生と、その発言に驚いて大声を張り上げた俺は二人とも教頭先生に睨まれちゃったけど、俺にもヒョクチェ先生にもそんな事を心配する感情なんてない。




「え！？え！？何で！？あの二人ってそう言う関係だったの！！？」

「はあ…そうなんじゃないですか？俺もうびっくりして…」

「えぇ…」



ああもう、俺今日朝から大変ですよ。今日は編入生を迎えるっていう仕事だってあるんですよ。



そう言って唇を軽く尖らすヒョクチェ先生を、俺は半ば放心状態のまま見つめる。
まさか自分たちが担当する学年にそんな禁忌を犯している生徒がいるなんて…。いや、そもそもこれって禁忌なの？俺だってヒョクチェ先生のこと好きなのに？もし俺と先生が付き合ったら、それこそ禁忌なのかもしれないし…。


ちらりとヒョクチェ先生を見ると、未だにその紅くて柔らかそうな唇がちょん、と尖っている。不機嫌だったり不満だったりするときに出る癖らしい。そんなところまで可愛いと思う俺はもう末期なのだろうか。

にしても、ヒョクチェ先生は近くで見ても白い。初めて見た時から白い人だとは思っていたけど、今ではその白い肌が度々俺を惑わす強敵アイテムとなっている。
何せ紅い唇が白い肌に映えるから余計色っぽい。長めの睫とくりんとしている瞳は男にしては酷く愛らしくて、首筋の白さから続く細く浮き出た鎖骨は理性をグラグラにする。



あんまり見つめすぎたからだろうか。気が付いたら、口走っていた。




「ねえ、ヒョクチェ先生」

「はい？」

「俺たちも…してみる？キス、」



『キス』と言う単語を言うことがこんなに恥ずかしいなんて知らなかった。頬に留まらず、体全身が熱を持っていく。
でもここで赤面なんてそんなのカッコ悪い。カッコよくきめたいじゃん、かっこいい科白言ってるんだし。

お願いヒョクチェ先生。真っ赤な顔して、照れ臭そうに微笑んで。



「………へ…？」

「だから、キス、してみる？」

「………ドンへ先生、何ふざけたこと言ってるんですか？」

「え、」

「確かにあのことは衝撃でしたけど…ったく！ドンへ先生には可愛い女子生徒がいっぱいいるくせに、嫌味ですかぁ？」



クスクスと笑いながら話すヒョクチェ先生はやっぱり可愛い。でも、俺が求めていたのはそんな事じゃなくて、違う事なのに。



「……だよ、ね…」

「ほらドンへ先生、編入生を迎えるんですよ。仕事仕事！」



するりするりと、ヒョクチェ先生はいつだってすり抜けて行ってしまう。捕まりそうで捕まらない。

俺は分かりやすくガックリと肩を落として、深いため息を吐いた。







―プルルルルルッ…




「あれ？俺だ」



俺がデスクに向き直ると、ヒョクチェ先生の携帯が鳴った。
誰だろうと呟きながらヒョクチェ先生はスクリーンを覗いて――照れたように笑った。


「もしもし？何だよキュヒョナ、どうした？えー…今日は家に来るなよ。
うん、そう。俺が行くから。え？な、バカ！変なことするなよ！そういう目的じゃないからな！！ん？うん、なるべく早く帰るから。
うん……お、俺も、会いたい、し…」



真っ赤に染まるヒョクチェ先生の顔。
今までに聞いたことがないような甘い声。


『キュヒョナ、』





―ねえ、ヒョクチェ先生。俺を見て笑って。俺が隣にいるんだから、俺を見てよ。



捕まえられない。先生は、いつだって俺をかわしてすり抜けて行く。
電話で話すヒョクチェ先生の声は、甘くて綺麗で、やっぱり俺を惑わすのに。








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		<title>始まりの合図のキス</title>

		<description>始まりの合図のキス




霜柱を踏ん…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;"><font color="#c0c0c0" size="3">始まりの合図のキス</font>




霜柱を踏んで歩く学校からの帰り道。
ポケットの中に突っ込んだはずの両手は冷えていて、しんしんと降り積もる雪が隙間から手に触れているのだと分かる。




『ねえ、ヒョクチェ。男の俺を好きになって。』


そう照れながら言い切ったドンへは、手に抱えた沢山の薔薇の花束を俺に押し付けた。
何が何だか分からない俺の頬をドンへは優しく撫でて、ふわりと笑う。



「……ああもう！！」



ザクッ、という気持ちの良い音を立てて、俺は霜柱を思いっきり踏みつけた。
自然にも赤くなる頬が自分でも恨めしくてしょうがない。

だってドンへが悪い。ずっと親友だったのに、いきなり、そんな…。



ああもう、意味が分からなくてとりあえず頷いてしまった俺は、明日から一体どうすればいいんだ。



　＊＊＊＊＊＊＊





「ヒョクチェ、おはよう！！」



ぼーっと靴を履きかえていると、馬鹿でかいドンへの声が聞こえてきてドキリとする。
自然に自然に。そう思うのに返す声は微かに震えていて、頬が上手く上がらない。



「ヒョク今日早くない？俺一緒に行きたかったのに！」

「そう？別に学校で会えるんだしいいじゃんか」

「よくない！恋人なんだからそれくらいさせてよ！」

「…ッ！」



ピシリと体が固まる。ドンへの声がデカいから、きっと周りの生徒にも少なからず聞こえてしまっている。本当ならここでドンへの口を塞ぐとかしなくちゃいけないんだろうけど、固まったままフリーズ状態の俺は手も足も出ない。


「ね？明日からは一緒に学校行こうよ。俺迎えに行くから」

「え、い、いい！女じゃないんだし、一人で行ける！」

「いいの！！俺がそうしたいって言ってるんだから！」

「や、でも…」



なんで？いや？なんて涙声で首を傾げて俺に聞くな。俺は本当にいいんだって。

第一ドンへのことをそういう目で見たことなんてない。正直告白されたときは「え」って思ったし。
なのに雰囲気に流されて頷いてしまった俺が悪かった。いや、あんな歯が浮くようなセリフと大輪の薔薇にはきっと誰だって敵わないだろう。


ドンへは俺が黙ったことによりそれがオーケーサインだと思ったのか、「じゃあ明日ね」なんてお得意のキラースマイルを俺に向ける。
そのまま手を引いて歩き出すドンへに、俺はまた手も足も出ない。

こんなはずじゃなかった。なんで俺が、こんな、今まで親友だった男となんか…。




「ッ！！？」



ふと鼻先に微かな痛みが走る。驚いて顔をあげると、ドンへが俺の鼻を摘まんでいた。



「ヒョクどうしたの？何か暗いよ？」

「や゛、ちょっど…」

「何かあったでしょ。俺には言えない？」



しゅん、と眉を下げたドンへに、俺は困ったように眉を寄せる。
お前のせいだ、なんて言えるわけがないし、だからってうまい誤魔化し方なんて見つからない。
そして……苦しい。


「う゛、どんへ！く、ぐるし…」

「へ？」

「は、鼻、いぎ、すえな、」

「え？…ああ！」


ドンへは閃いたみたいにぱあっと顔を明るくさせる。こっちはそれどころじゃないっていうのに。
もがくみたいに手を宙で彷徨わせていると、不意に手に暖かな体温が伝わる。

ふと見ると、俺の指に絡みついている、ドンへの指。
指と指の間にドンへの指が絡んでいて…これは、まさか…恋人繋ぎ？



「ちょ、どん、…ん！？」



驚いて顔をあげると、唇を襲う柔い感触。
音もなく何かが触れて、数秒を経て音もなく離れた。



「息、苦しくないでしょ？」



ドンへはにこりと笑う。
俺はやっと鼻を解放されたからか、息を吸ってはいて呼吸をするのに精いっぱいで、ドンへの言葉なんて耳に入ってこなかった。


いやいやいや、ちょっと待て。
今のはいったい何？え？え？



「ちょ…ちょっと！ドンへ！！」

「ん？」

「い、今、何した！？」

「え、キス」

「キ…！！」



キス！？ここで！？だって他に生徒だっているし、先生だって見てたかもしれないのに！？
それに俺はまだ、ドンへに対して何も素直になってないのに…。



「な、何やってんだよ！ここ学校！！」

「知ってるよ。学校ではだめなの？」

「だめに決まってるだろ！こんなところで…」



もし誰かに見られていたら、そう思うだけで穴があったら入りたくなる。
おまけに…あれが、俺のファーストキスだったわけで。相手はドンへで、親友で、男で。

なのに、無駄に心臓がバクバクと煩い。唇の熱い感触が消えない。どうして、なんで。



「そ、それに、俺たち昨日付き合い始めたんだし…」

「ねえ、ヒョク」

「…な、何？」

「キス、していい？」

「はっ！？」

「合意の上ならいいでしょ、ね？」

「な、いや！ちょっと待った！」



ばっちりと目があった状態で徐々に近づいてくるドンへの整った顔。
手はしっかりと恋人繋ぎで握られたままで、なのに器用なことに、ドンへの左手は俺の頬に添えられている。


無理だ、無理。心臓の音が異常なほど煩くて、体全身が心臓になったみたいに心音が強い。
近づいてくるドンへの顔を、俺は見開いたままの瞳で見つめるしかなくて。


わ、わ！ちょっと待った、近い、近いって…！




―ちゅ、





「ふふ、顔真っ赤。」



わなわなとするしかない俺の唇には、さっきよりも熱く柔らかい感触。


心臓の音がうるさくて、心地いい。



二人の恋はまだ始まったばかり。








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